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さて、CNNを観て笑ってばかりいちゃいけません。

少し長くなりますが・・・。



最近米加国境を徒歩で越えてくる
カナダへの不法入国者が増えている
という話です。



米加国境は、北緯49度線と
五大湖のうちミシガン湖を除いた4つの湖の中と、
アラスカ州との境である(大まかですが)西経141度線
と、
全長8891キロもあるんだそうです。

普通米加国境通過といったら、
ナイアガラの滝観光でアメリカ滝へも行くとか、
バンクーバーの住民はシアトルへ買物に行くとか、
国境沿いの市町村には、毎日アメリカへ通勤する人がいる
なんていう話もよく聞きます。


上記のような国境は、
きちんと国境警備隊が常駐する検問所があり、
パスポートやそれに準ずる書類も必要だし、
事と次第によっては取調室へ・・・てなこともあります。




昨今問題になっているのは、
そういった大掛かりな国境ではなく、
塀も柵も線引きもない、
木々のまばらな林の中にある、
目に見えない国境線上
でのことです。



例えば、先日ニュースに出てきた、
ケベック州とアメリカ(ニューヨーク州、バーモント州など)との国境


スーツケースとボストンバッグを持った1人の男性が、
膝ほどの雪に足も荷物も取られながら、
数メートル先で待っている
ケベック側の警察官二人に向かって歩いて来ました。

1メートルほど手前、お互いの顔がしっかり見えるところで、
警察官がフランス語(ケベック州の公用語)で告げました。

「そこで止まりなさい。
あなたは今違法に国境を越えようとしています。
一歩でもこちらに来たら逮捕します。」


緊張感は漂っていますが、
警察官は銃に手をかけているわけでもなく、
手に何かの書類のようなものを持っているだけ、
威圧的な空気はまるでありません

国境を越えようとしている男性の表情にも、
警察官を前にして恐怖とか脅えは全く感じられず、
疲労困憊しつつもどこか安堵しているようにも見えます。


両手を宙に上げている男性に対して
2人の警察官は淡々と次の指示を出していきます。

手を貸してスーツケースとボストンバッグを運び上げると、
男性が1メートルほどに積もった雪を超える手助けをし、

そこで1人が後ろ手に手錠をかけ、
もう1人は彼の少ない荷物を持って
停めてあったパトカーへ向かいました。


この男性はソマリア人
アメリカに避難民として入国しましたが、
まだ手続きが完了する前に
すだれピーマンの入国禁止令が出たため、
本国送還を恐れてカナダに逃れてきたのだそうです。


カナダへ入ってしまえば、
不法入国者扱いはされますが、

亡命したいという意向の元に、
カナダで新たに難民手続きが始まるわけで、

実際に難民と認定されるかどうかは判らずとも、
とりあえず本国送還はしばらく免れられます



線引きが目に見えない国境沿いでは、
この男性と同じような不法入国者
日々耐えません。

近隣市町村では困惑しながらも、
人道的立場から拒むこともしていません


彼らが平和な暮らしを手に入れるためには、
カナダに不法入国し逮捕されることから始まる
のを、
近隣の人々は気づいているからです。




どうしようもなくバカげた言動で、
世界で話題のコメディを見せてくれる
すだれピーマン政権ですが、

コメディでは世界はいびつにしか回らないし、
いびつになった狭間で苦しむのは、
これまですでに充分苦しんできた人々だ
ということを、

あの、自分以外にまるで興味のない人に、
どうしたら理解させられるのでしょうか?

70年も自分本位だった人には、
人権とか人道とか人情なんていう言葉の
入る隙は残されてないのでしょうか?




「国境の話(アメリカ側)」に続きます。






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2017.02.17 Fri l 日本・世界の出来事 l コメント (2) トラックバック (0) l top

コメント

No title
こんばんは。
隣国まで巻き込んでの移民騒動とでもいいますか、この件では、カナダに行ったか、良かったじゃないかと言う人は一般市民の中には、殆どいないと思っています。というか、そう信じたい思いです。元をただせば自分だって、メラニアだって移民じゃないですか。狂っていますよ。というより、アメリカ人のルーツは少数の原住民族といわれている方以外はすべて移民。願わくば苦労してたどり着いたカナダで懸命に働いて幸せを手に入れてほしいです。
うちのki違いのせいでカナダの皆さんには、迷惑をおかけします。
カナダの寛容には感謝しかありません。そろそろCIAの出番じゃないでしょうか?
又は組閣もままならなにのにヒステリーおこして政権を放り出してくれるかを祈るのみです。
2017.02.17 Fri l rara. URL l 編集
Re: No title
raraさん、こんばんは!

あくまでも私の主観ですが、
カナダ人の移民に対する寛容さの裏には、
いつでも自分のルーツは移民だと、
良くも悪くも否応なしに意識させられる
環境のせいではないかと思います。

普通の環境=外国人の集合体ですから。
学校の教室、オフィス、スーパー、病院・・・。
どこへ行っても「外国人だらけ」。

自分も外国から来たカナダ人なんだよな・・・と。

移民した当初は、どんなに恵まれた人であっても、
新しい環境に馴染むまで、言葉をはじめとしていろいろ苦労しますでしょ。

国境警備隊や警察官にも、苦労して今の仕事に就いた人もいるだろうし、
親の苦労を見て育った人もいるでしょうし・・・。

不法だろうが合法だろうが、
命を懸けて国境を越えてきた人たちを助けるのは、
人道的なんていう綺麗ごとじゃなくて、
生活・命が脅かされていることを身を持って感じ取れるからじゃないかな・・・
なんて思います。


すだれピーマンは、生まれたときから裕福で、
徴兵さえ免れた苦労知らずのボンボン。
全てが自分本位で、自分に都合の悪いことは
見えない聞こえないあり得ない人ですもんね。
他人を思い遣れなんてことは、望めません。

最近TVコマーシャルに出てくるancestry.com、ご存知ですか?
自分のルーツをDNA検査で調べてくれるという代物。

すだれピーマンに試してみたいと思います。
元はドイツからの移民ですから、
もしかしたら彼にだって、うんと昔の
オスマントルコ帝国のイスラムの血が、
あるいはロマ(ジプシー)の血なんかが
流れてたりするかもしれない・・・?(笑)。

顔、真っ赤にして否定する姿を見てみたいわ~(爆)。
2017.02.18 Sat l りんごかあさん. URL l 編集

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