fc2ブログ
今日は久々に映画館へ足を運びました。

観たのは「Sully (邦題:ハドソン川の奇跡)」

ハドソン川の奇跡


乗客乗員合わせて155人の乗ったエアバス機が、
ニューヨークのラガーディア空港を飛び立って間もなく、
カナダ雁の群れと衝突し両翼のエンジンが停止。

ラガーディア空港へUターンするのはおろか、
近くのティーターボロー空港への緊急着陸すら
滞空できそうにない状況下、

機長の決断でハドソン川に着水させ、
155人全員が無事助かったという、
2009年1月15日に起きた事故をもとに、

トム・ハンクスがその機長を演じ、
クリント・イーストウッドが監督した映画です。




総じてどんな場面も淡々と描かれていて、

事故を再現している場面は
パニック映画のように必要以上に
ハラハラドキドキを誇張したものではなく、

逆に、

コックピットの2人の、
緊急性をしっかり認識しつつ、
マニュアルに沿って、
あるいは経験上の知識から、
考えうる全てを試しつつ、
その容赦ない絶望に冷静に対処していく様子や、

3人の客室常務員が乗客に向けて、
“Brace. Brace. Brace. Head down, stay down!”
「(衝撃に向けて)身構えて、頭を下げて、下げたままで!」
という言葉をリズミカルに声高に、
唱えるように叫び続けるのも、

叫んだり喚いたりすることなく、
乗務員の指示に従い、
前の座席の背もたれとの狭い空間を、
二つ折りにした体で埋めた乗客たちも、

誰もが内にとてつもない恐怖や動揺を抱えながら、
その時にするべきことだけをしている
姿は、

ドキュメンタリーを観ているような、
現実味がありました。



7年前、この事故の様子をリアルタイムで見ていた私は、
「Miracle on the Hudson ハドソン川の奇跡」
と題して報道された部分だけを鵜呑みにしていたのですが、

この映画では、マスメディアでは伝えられなかった
その後数日間にわたる連邦航空局による事故調査が本筋です。


両エンジンを失う過酷な状況で、
乗客乗員に1人の犠牲者もなく済んだこの事故を、
奇跡だ、機長は英雄だとメディアが称える一方で、

航空局は、
果たして本当にエンジンは2基とも機能していなかったのか?
ラガーディア空港あるいはティーターボロー空港へ着陸できたのではなかったか?

などと、機長のとった判断に疑問を投げかけます。


やりとりで印象的だったのが、
航空局側はこの事故を
「ハドソン川に墜落(Crash on the Hudson)」
と言うのに対し、
サリー機長は
「墜落ではなく着水(Water landing on the Hudson)」
だと、静かに訂正するところ。

多分機長は、
なす術もなくハドソン川に墜落したのではなく、
できるかぎりの手を尽くしてなお、川に不時着することを選択しのだと、
パイロットとしての長年の経験と誇りを持って、
最後まで最善を尽くす努力を惜しまなかったことを
明確にしたかったのではないかしら・・・と思います。


先にも書いたように、
大げさな描写もドラマチックな展開もないのですが、
どの場面のどんな登場人物でも、
それぞれの真摯な表情や言葉が、
じんわりと心に染み入ってきて、
思わず涙をぬぐう展開になる映画でした。


・・・と、夢中になってあまり書いてしまうと、
まだ観ていない方々のご迷惑になりますから、
このへんで止めておきましょう。


これから観る予定の皆様へ、
エンドタイトルが流れて始めても、
すぐに席を立たずにもう少し観ていてください。

乗員乗客ご本人たちがにこやかに登場します。
航空機事故に遭って笑顔で再会する人たち・・・。
ちょっと奇妙でもある光景ですが、ホッとします。





「Sully」を観て思い出したこと。

つい最近、地元のニュースで
空港警察の警察犬の日常職務の話題がありました。

よく見かけるのは乗客の手荷物や
ターンテーブルから出てきたスーツケースなどの
匂いを嗅いで回る麻薬捜査犬ですが、

春から秋は、滑走路周辺を走り回って、
カナダ雁などの鳥を追い払う役目も担っている
という話でした。


空港周辺の緑地帯には小さな沼なども点在していて
水鳥には格好のお休み処でしょうけれど、

この映画を観たら、
そんな悠長なこと言ってられないわよね・・・
と思いました。

せっかく寛いでいるカナダ雁やかもめなどには悪いけど、
「空港にはコワい犬がいるから近寄らない方がいい」
と学んで欲しいです。

ホントはそれ以上に、
「どデカい飛行機って鳥はもっとうんとコワいぞーっ!」
「近づくと吸い込まれて瞬殺されるぞーっ!」

ってところを知ってくれると、
「君らのためにもなる」んだけどね・・・。







スポンサーサイト



2016.10.01 Sat l 映画・テレビ・音楽・本 l コメント (4) トラックバック (0) l top

コメント

No title
こんにちは。

空港警察の警察犬がいるのですね。
一つの空港に何匹位いるんでしょうね。

9・11の2~3日後にアメリカの小さな空港へ行ったら
乗客より多い警察官と何匹もの警察犬を見かけました。
その時警察犬はアメリカ中で仕事をしていたはずなのに田舎の小さな空港に何匹もいたことに驚きましたが空港の警察犬だったのですね。
何年かごしの疑問が解けました。
ありがとうございました。
2016.10.02 Sun l ぽんちゃんマム. URL l 編集
Re: No title
ぽんちゃんマムさん、こんにちは!

ごめんなさい、間違ってました。
空港で働く犬は、正しくは警察犬ではなくて、
国境警備隊に所属する犬らしいです。

テレビで見た時には、アナウンサーの説明は理解できても、
その単語が頭に残らなくて・・・情けない話です。

麻薬だけでなく、不法に持ち込まれる銃器や貨幣、食物、
植物の種・苗なども見つけるのだそうです。

で、それら以外に、水鳥追い払い隊のお仕事もあるのですね。

私の経験では、国際線の到着ロビーも国内線も、
それぞれたいてい1匹しか見かけません。
まぁ、カルガリーの空港は小さいからじゃないでしょうか。

> 9・11の2~3日後にアメリカの小さな空港へ行ったら
> 乗客より多い警察官と何匹もの警察犬を見かけました。
> その時警察犬はアメリカ中で仕事をしていたはずなのに田舎の小さな空港に何匹もいたことに驚きましたが空港の警察犬だったのですね。

あの時はきっと、普段以上の数の警察犬や麻薬犬が
配備されていたに違いありません。
カルガリー空港ですら、事件当日とその後2日くらい
閉鎖されていました。
尋常ではありませんでしたね・・・。

> 何年かごしの疑問が解けました。
> ありがとうございました。

間違いを書いてしまってごめんなさい。
少しでもお役に立てたのなら幸いです。^^;
2016.10.02 Sun l りんごかあさん. URL l 編集
No title
私の書き方が悪くてすみません。
警察も警備隊も見た目では分かりません(>_<)
シェパードが多かった記憶がありますが
あまりキョロキョロしてもいけない気がして・・・

一部空港閉鎖が解除された日なので3日後ですね。

時期的に娘がハロウィン用にディズニーの仮装グッズを全身買いました。
今では日本でも買えますが
あの頃は手に入らなかったので喜んでいましたが
空港でかつらを箱から出して毛の一本ずつも調べられたし
手袋も出して調べられました。

あの感じは最初で最後だと思いたいです。
2016.10.03 Mon l ぽんちゃんマム. URL l 編集
Re: No title
ぽんちゃんマムさん、
最初に間違えたのは私です。
謝らないでくださいな~。

> 警察も警備隊も見た目では分かりません(>_<)
> シェパードが多かった記憶がありますが
> あまりキョロキョロしてもいけない気がして・・・

見た目はほぼ同じですもんね。
エンブレムで確認しない限り、一見しただけでは判らないです。

そうそう、警察官とか警備員とかって、あんまり見ていてはいけないような気がしますね。
空港の麻薬捜査犬などは、「おりこうね~」と声を掛けたくなりますが、隣のハンドラーの睨みがコワいです。

> 時期的に娘がハロウィン用にディズニーの仮装グッズを全身買いました。
> 今では日本でも買えますが
> あの頃は手に入らなかったので喜んでいましたが
> 空港でかつらを箱から出して毛の一本ずつも調べられたし
> 手袋も出して調べられました。

うわぁ、イヤですねぇ。

> あの感じは最初で最後だと思いたいです。

そうですね、もうテロはご免です。
2016.10.04 Tue l りんごかあさん. URL l 編集

コメントの投稿












トラックバック

トラックバック URL
http://edibleringo.blog.fc2.com/tb.php/452-b6d7c665
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)