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小説や漫画が映画化・ドラマ化されることがありますが、
皆さんは、原作を先に読みますか?それとも後から?

私は大抵の場合、先に原作を読みます。



昨年夏の日本ではどの本屋さんでも、
阿部寛さんと佐藤健さんがカバーになった
「護られなかった者たちへ」が
目立つところに平積み
にされていました。

私の好きな俳優さんたちですから素通りできなかった😅
そのカバーに魅かれて手に取ったのが、
中山七里さんとの出会いでした。



今手元にあるのは以下の4冊です。

中山七里の本


映画の「護られなかった」と
WOWWOWのドラマ「夜がどれほど暗くても」は
まだ観ていませんが、

同じくWOWWOWでドラマ化された「セイレーンの懺悔」と
映画化された「ドクター・デスの遺産」は
たまたま私が日本にいる間に
TVジャパンで放送された
ので、
どちらも家人に録画してもらっておいて、
まず原作を「セイレーン」から読み始めました。



ドラマの「セイレーンの懺悔」は、
報道業界の赤裸々な中身、
正義のために暴走して見失ってしまう真実、
同じ結果を追い求めながら、
絶対に相いれない警察との駆け引きなど、
原作からさほどかけ離れずに
納得のいくドラマ
になっていました。


次の「ドクター・デスの遺産」は、
毒々しい連族殺人事件の物語が続き、
最後にその根底にあった苦悩が
明らかにされる
構成ですが、

内容は、「護られなかった者たちへ」が
人道と福祉の狭間を描いている
のに似て、
これも、人道と医療の間の倫理と現実に迫る物語です。



私の読後感としては、
「護られなかった」も「ドクター・デス」も、
のほほんと暮らしている私には想像できないような

極限で命と向き合っている人もいること、
そこにはごく限られた人しか関わっていないこと、
人は目の前に晒されていることしか見ていないことなど、
実際あってはならないことだけれど、
現実には起きていることを突き付ける

社会派の悲しい物語でした。




そして映画「ドクター・デスの遺産」は、
なんてこった・・・😞🤦‍♀️
でした。


一番大切な、なぜ犯人が連続殺人を犯したか?の
謎解きにあたる部分が端折られていました

そこを描いていなければ、
たったの悪質で狂気的な連続殺人事件でしかないのです。

そういう、どこにでもある犯人捜しの娯楽映画になっていて、
ものすごっく、腹立たしいくらいにガッカリしました。

犯人役の俳優さんが上手だったから尚更、
その使命感や見えない苦悩と
そこから生まれた歪んだ正義が明らかにされなかった
ことに
不完全燃焼+幻滅でした。


中山七里さんは、
本当にこれで納得されたんだろうか?



端折った部分があまりにも生々しい内容だから?
あるいは映像にするには難しかったから?


それはとりもなおさず、
だから人の眼に触れにくい、見て見ぬふりをされがちな部分で、
だからこそ本当は映像化するべき
物語の根底にあって無視してはならないはずなのに。



昨今不振気味な映画業界ですから、
原作があっても面白おかしく脚色して
観客の興味をそそらないとならない
のでしょうが、
これはあんまりにもあんまりな作品でした。



映画を観たけれど原作を読んでいない方には、
原作を読んでもらいたいと思います。
きっと、映画と違う感想を持つはずです。





「護られなかった者たちへ」はまだ観ていませんが、
すでにいくつか賞を取っているそうなので、
「ドクター・デス」のようなガッカリ作品ではないのでしょう

早く何とかして観たいです。
NetflixかAmazonに出て来ないかなぁ。






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2022.03.04 Fri l 映画・テレビ・音楽・本 l コメント (2) トラックバック (0) l top

コメント

No title
こんにちは~。

中山千里作品は岬洋介シリーズを4冊読んだきりで、最近の作品は読めていません。興味がわいたのでまた探して読んでみます。

ご紹介ありがとうございます。
2022.03.04 Fri l ぢょん でんばあ. URL l 編集
Re: No title
ぢょん子さん、こんにちは!

こちらこそお礼を申し上げねば。
私は岬洋介シリーズを知りませんでした。
作曲家の名前がタイトルについているんですね。
そりゃ、クラシックファンとしては読まなくちゃ!です(笑)。

ありがとうございました!
2022.03.04 Fri l りんごかあさん. URL l 編集

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