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昨夜のカルガリー・フィルのコンサートは、私の大好きなドヴォルザークチェロ協奏曲

私がクラシックに改めてどっぷりハマるきっかけとなった、30年ほど前に父がくれた読売日響の定演のチケット。
その日の演目が、ドヴォルザークチェロ協奏曲とチャイコフスキーの交響曲第5番でした。
その時は両曲目とも私は初めてで、そのくせ今のように事前に勉強することもなく、「タダのチケット~♪儲けもん~♪」というだけで出向いたコンサートだったのですが、思いがけなくも心の臓を思いっきり射抜かれてしまったのでした。


そういう思い出深い曲目だったので、昨夜はおのずと期待も膨らむもの。


チェリストはヨハネス・モーザー、新進気鋭、世界中の主要オケと協演している36歳です。
日本でも何度か演奏しているようですね。
細身長身、なかなかハンサム(←私の好みのタイプ、うっしっし)。


演奏が始まると、音楽が乗り移ったかのように、曲想に合わせて体もチェロも大きく揺らしながら、弓を弾く長い腕も舞うように優雅に動く。
全体に若さを感じさせる生き生きとした音色で、ビブラートのかからない真っ直ぐな音が気持ちよく透き通っていてかつ繊細。
そこからクライマックスへ持っていく思い切りのよい音の変化が、これまたすこぶるゴージャス!

満足のいく音が出ている時のうっすら浮かべる笑顔も、すっごい艶っぽくて、この人、完璧マダム・キラーですわよ。

かと思えば、グーーーンッとクライマックスへ引っ張っていって、スコーン!と抜ける音で締めたときのドヤ顔が、ホンマもんのドヤ顔で迫力ありました(笑)。


とにもかくにも、目にも耳にも、Ecstaticな素晴らしい演奏でした。



・・・と、私も主人も大満足していたんですけど、



休憩に入るなり私の隣に座っていた30代くらいの男性が、その向こうの連れ二人に向かって、

「ひどい演奏だったな。がっかりだよ。
動きすぎ。こっちが曲に集中できない。
彼の演奏は、CDで聴くに限るな。」

って言うのが耳に入ってきました。



えええーーーっ? がっかりするほどひどかったぁ?

動きすぎってのは解らなくもないけど、それで聴く耳に集中できないのは、モーザーのせいではないだろ~?
あんたが、視覚と聴覚の両方をコントロールできなかっただけじゃないのぉ?

この人、カルガリーの聴衆にしては珍しく、楽章と楽章の間に拍手するような野暮なことしないし、それどころか拍手する人たちに対してボソッと「止めてくれよ・・・」とつぶやいたりしてたんで、クラシックはきっと大好きでコンサートにも慣れていると思われます。


そうなの。
話、逸れるけど、カルガリーの聴衆は、楽章間にも臆することなく拍手しちゃうんだ・・・。
たま~に、指揮者の背中がムカついてるときがあります(笑)。

確かに、パチパチしたくなる素晴らしい演奏だったりするけど、楽章の最後の音の余韻を引き摺って、フッと途切れたあとに次の、前楽章とは色合いの違う音の世界にす~っと入っていく「一連の動き」が、あまりにもあっさりと無視されて遮断されるので、「デリカシーねぇな・・・ムカッ」とココロでつぶやくの、私も。


でまぁ、そういう基本的な音楽の楽しみ方を知っている人らしいのに、「演奏者が動きすぎで気が散る」って・・・?
そういう風に感じる人もいるんだねぇ。
私には、いわゆる「ノッている」風に見えてたものも、邪魔になっちゃうのね。

だとしたら、演奏者にとっては肝心な自分の出す音を聴いてもらえないわけだから、改善すべきところなのかしら?



すぐお隣に、私がとても楽しんだ演奏をケナす人がいたからちょっと悲しくなったけど、音楽の感じ方・楽しみ方って本当に個々人違うもんだなぁと思いました。


今シーズンはこれでお終いです。
ふむ、締めが大好きな曲で良かったわ~♪
来季はどんなプログラムがあるかしら・・・楽しみです。






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2015.05.09 Sat l 映画・テレビ・音楽・本 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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