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2000年の9月、新学期が始まってしばらくした頃、
1年生になった次男が言いました。

「お母さん、学校で朝ごはん食べたい
シリアルとか果物とか食べられるんだよ。」

え?朝ごはん?

「うん、朝、教室行く前にカフェテリアへ寄ると出てくるの。
ジャックとかアマンダなんか、毎朝食べてる。」
仲良しの名前を挙げてみせました。



もとよりここには給食なんてものがないし、
カフェテリアはランチタイムだけオープン
だと聞いていたので、
なんじゃらほい?



ここはまず、学校に確かめた方が良さそうだから、
「明日はダメだよ」と釘を刺しておいて、
翌朝普通に家で朝食を摂らせて送り出し、
小学校に電話
してみました。



本当に、朝食の給食は存在していました。

「朝ごはんを食べずに登校する子供たちのため」でした。

朝起きて、支度して、学校にさえ来れば、
何かしらの朝ごはんを食べられる
ように、
その小学校では用意していたのです。



私たちが当時暮らしていた地域は、
カルガリー市内でも特に低所得層が多く、
両親共働きは当然、
ひとり親がいくつも仕事を掛け持ち

といった家庭などは当たり前。



息子らが通った小学校では、
始業時刻の1時間以上前から校門を開け、
親が通勤途上で子供を預けていかれるようにし、
朝食を済ませてなければ食べさせていました




そういう心配のないウチの小僧は、
ジャックやアマンダの背景を知らないから、
「いいなぁ、学校でごはん食べられていいなぁ」
と、ただ楽しそうだと思ったようでした。




私の電話に応えてくれた事務員さんは、
そういった事情を説明してくれた上で、
「毎日じゃなければ、構いませんよ。
学校でお友達と一緒に朝ごはんを食べてみたいんですよね」

よくあること、と言った風情で快くOKしてくれました。



果たしてその翌朝、
スクールバスを降りてカフェテリアに走った次男

ジャック、アマンダと一緒に
シリアルと果物をいただいたのを
満足気に報告
してくれました。



ちなみにこの小学校のカフェテリアは、
児童全員が揃って昼食を摂る場所

(と言っても1~3年と4~6年の二部制)、
皆持ってきたお弁当を食べますが、

この時間にもお昼ご飯に、
カップ麺やサンドイッチに野菜スティックなど
用意されていました。
(もちろん、次男はこれも1~2度お相伴しました。😅)





ただいま「空腹で登校する子供をなくそう
"Toonies for Tummies"」
キャンペーン中。

ロゴ

Toonieとはカナダの2ドル硬貨の愛称です。

先週から行きつけのスーパーのレジで、
「子供の朝食キャンペーンに2ドル寄付しますか?」
と買った商品のレジ打ちの最後に尋ねられます。
(Yesと言えば、そこで2ドル加算されます。)

私の2ドルでどれほどの援助ができるかはわかりませんが、
実際にそういった境遇の子供らを知っていたので、
Toonie一枚、YES!

塵も積もれば山となる!


1人でも空腹を抱えて登校する子供が減りますように🙏



TVコマーシャル

TVコマーシャルでは「3人に1人が空腹のまま登校する」と訴えています。







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2022.03.28 Mon l カルガリー・アルバータ・カナダ l コメント (4) トラックバック (0) l top
なかなかクライアントと連絡が取れず
人名の読み方が確認できなかった翻訳が、
最初の依頼から2ヶ月ほど経って
ようやく終えたたところです。



公的文書でもあったので、
全体的に慎重に進めていく中で、
「同」が出てくるたびに思ったのですが、

たったの一文字
長たらしい条件を表すことができるって
日本語はすごい!





例えば、ワクチン接種の優先順位条件は、

1.当市に住民票がありすでに2回接種を済ませた
65歳以上の方は○月1日から
2.40歳以上の方は○月15日から
3.18歳以上の方は△月1日から
4.12歳以上の方は△月15日から

などと書かれたりしますが、

その条件の中の全体に共通する部分である、
「当市に住民票がありすでに2回接種をすませた」
たった一文字「同」で表すことでちゃんと通じる!




「同」って「ditto」で表せるでしょ?
と思われるかもしれません。


dittoが使えるのは、
条件全体が同一でそれを繰り返す場合で、
条件の一部が同じ場合はdittoじゃ賄えないです。


だから上に挙げた例だと
2番目以降の「同」を表すには
「under the same condition as 1」など
言い方はいくつかありますが、
数単語が必要

 

ま、翻訳の仕事としては、
一度訳したらコピペすれば良いので
長いから面倒ってわけじゃないです。

ただ、文字数がいくつあろうと、
長かろうが短かろうが

ある共通の条件をたった一文字で片付けちゃう
「同」のパワーは絶大だな・・・と思った話。



同
も強力だけど

々
こっちの「どう」もかなりパワフル






2022.03.22 Tue l 言語・英語・日本語・トルコ語 l コメント (0) トラックバック (0) l top
映画「ナイルに死す」のCMを目にして思い出したこと。



東京でOLしていた頃のことです。

残業した帰りの電車で、
立っていた私の前の座席が空いたので
「はぁ、今日は早く座れてラッキー!」と腰かけたものの、

右隣に座っていた中年男性から、
かなりお酒を聞し召した匂い
が漂ってきて、
「(心の中で)うぅ~、酔っ払いかょ・・・」



それでもともかく、
長い通勤電車は絶好の読書の時間
気を取り直して本を開きました。

当時夢中になって読んでいたのは
アガサ・クリスティーのポアロもの



ズンズンと物語に引き込まれ、
隣の酒臭さをすっかり忘れた頃


俺もそれ、読んだよ。
最後のどんでん返しがすごいんだよ。
言わないけど、言わないけどね、
すごいからね、楽しみにして読んでね。」


突然隣から声かけられて
「!?」って顔して振り向いた
ら、
お酒の匂いプンプンのオジサンは、

ごめんなさい。
懐かしかったもんだから、つい、ね。

俺もね、たくさん読んだの、クリスティーは。」

と、すこしもつれ気味の口調で、
読んだ書名をいくつか挙げていきました。


そうしたら私もついつい、
それは読んだとか知らないとか相槌入れていて、
二人の間でクリスティー談義に花が咲き・・・。


数駅過ぎて、オジサンは立ち上がり、
「俺、ここだから。また話そうな、クリスティー」
片手を「ヨッ」の恰好で私に向けて挙げ、
停まった駅で降りていきました。


「また」って言われても・・・。




夜の電車の酔っ払いは、
往々にして困りものになりがちで、
大声・暴力沙汰や🤮を目にしたことも何度かあり、
当時の私は毛嫌いしていました。



その夜クリスティーのオジサンは、
お酒臭いだけで
至って紳士的に振舞える酔っ払いもいる
ことに
気づかせてくれたのでした。





その日読んでいた本の結末は
オジサンの言う通りのすごいどんでん返し
だったし、
オジサンに教わったまだ読んでいなかったクリスティーは、
どれも面白かった



「ナイルに死す」もそのうちの一冊。



ナイル殺人事件

(日本ではなぜ映画化されると「ナイル殺人事件」になるんだろう?)







2022.03.19 Sat l しょーもない話 l コメント (0) トラックバック (0) l top
3月1日からアルバータ州のコロナ規制が
ごく一部を除いて解除
され、
2週間が過ぎました。


新感染者数は非常にゆっくりですが減少傾向。
ここ数日の平均は500人以下になりました。

規制解除しても増えていないので、
オミクロンを退治はできなくても
やすやすと感染させない環境が整った

言えるかもしれません。

けれど、中国ではまたロックダウンしてますから、
油断はできませんね。



現状としては、

病院やクリニック、レントゲンなどの検査施設、
リハビリ・療養施設、高齢者施設は除外
ですが、

レストランだろうが映画館だろうがジムだろうが、
コンサートだってスポーツイベントだって、
マスクの着用が不要になり、
客席や収容人数の制限もなくなりました




これまでずっとオンライン授業だった
大学や専門学校なども
対面授業
に戻りました。



専門学校で教鞭をとる次男
自宅からのオンライン授業にどっぷり浸かっていたので、
週に3回だけなのに通勤を面倒くさがります(しょーもな・・・)。


キャンパスではマスク不要にも関わらず、
次男の講義に出る学生の半数くらいは
相変わらずマスク着用
しているそうで、

「まだマスク着用派」の次男
講義するときだけは、
学生が聞き取れないのでマスクを外し、
実習授業はマスク着けています




州政府からは
全てのリモートワークも解除されましたが、

主人の勤務先では、
「このままリモートでもイイじゃん派」
「必要な時だけ出勤派」
「やっぱり皆出勤でしょ派」
が入り乱れていて、
結局まだリモートのまんま



あ~ぁ、せっかく規制解除になったのに、
「亭主元気で留守がイイ派」の私には
恩恵がない・・・。









2022.03.16 Wed l 家のこと・日々の暮らし l コメント (0) トラックバック (0) l top
40分ほど前でしょうか?
大きな地震があったそうですね。

どなたさまもご無事でいられますように。
大きな被害に遭われませんように。

お祈りいたします。
2022.03.16 Wed l 日本・世界の出来事 l コメント (0) トラックバック (0) l top
去年の夏に日本で作ったメガネが合わなくなり、
翻訳仕事が辛くなっていた
ので、
近くの眼医者さんで検眼してもらって、
新しいメガネを購入しました。



昨日やっと出来上がって、
視界が開けてルンルン♪で帰宅したんですけど・・・



玄関で出くわした息子ら
ぜ~んぜん気がつかない

薄暗いから見えなかったか?

明るい台所へ移動しても、
まったく反応なし・・・。





ねぇあんたら、お母さんちょっとどこか変わってない?


「ん?え?どこ?」
二人ともまるで判ってないんですよ。




メガネ、変えたの!

「おぉ、そういえば違うか~(笑)。」

今朝までのは丸い金縁で、
これ、四角っぽい黒だよ。
ぜんぜん違うじゃないさ~

「そういや、前のはジョン・レノンだったな。」

思い出せるのになんで判んないかなぁ?

「俺らが気づかないってのは
似合ってるからだと思うよ。」

「そうそう、見るからにヘンだと言うもんな。」



はっ!
そうだった。


息子ら毎度私の新しいメガネがイマイチだと、
「何かそれ、バアサンくさくね?」とか
「FOB*の東洋人みたいじゃん」
とか
平気でズケズケ感想を述べるのが常。
(*FOB=Fresh Off The Boat 船から降り立ったばかりの人
つまり、来たばかりで土地に馴染んでいない人、と言った揶揄です。)




今回のメガネは
そういうこと言って笑いたくなるほどの
ネガティブなインパクトはなかった

とりあえず似合ってると認められた
ってことか。



はぁ~、それでも何も気づかれないのって
張り合いないなぁ。



と、そこへ来た主人は、
「新しいのだね。イイんじゃない。
大き目のフレームは遠近両用には大事だよね。」




すぐに気がついてくれたのはよろしい。
だけど、老眼的視点からモノ申すの、やめて



新旧メガネ
(上:ジョン・レノン、下:新しいメガネ - こんなに違うのに・・・)








2022.03.13 Sun l 自分のこと・家族のこと l コメント (0) トラックバック (0) l top
今日の私宛の郵便物は、
年に数回送りつけてくる
寄付のおねだりとそのお礼

でした。


あちこちのNPOが手を変え品を変え
お礼の品を送ってきては、
「これあげるから寄付よろしくね😉」

ウチの文房具の引き出しには、
この手のボールペンが
ジャマになるほど
転がってます。



で、今回の大振り封筒からは、
2年前に受け取ったのと同じ、
ソックスとバースデーカードとボールペン

出てきました。
(↑また届いた -別ウィンドウで開きます。)



が、今日のソックスは、
柄は同じでもちょいと趣向が違っていたよ😁

左右違う

なんと、両足のサイズが揃ってないっ!?
珍しい靴下なのですよ~😲
すごいよね、こんなペアは滅多にないよ!🤣🤣

同じ花柄にしちゃったからさ、
どこか新鮮味がないとアピールできないからね。




なんてことは考えてなかっただろうけど、
「お母さん、片っぽしか履けないんじゃない?」などと
ウチ中で大ウケ。


ま、昨今靴下の伸縮性はすこぶるイイですから。
グイグイ足を押し込めば履ける👍ので、
ありがたく頂戴いたします。


ちなみに2年前にもらったのも、
ちょっと色が褪せてきてるけど未だ健在です😄





2022.03.09 Wed l しょーもない話 l コメント (0) トラックバック (0) l top
小説や漫画が映画化・ドラマ化されることがありますが、
皆さんは、原作を先に読みますか?それとも後から?

私は大抵の場合、先に原作を読みます。



昨年夏の日本ではどの本屋さんでも、
阿部寛さんと佐藤健さんがカバーになった
「護られなかった者たちへ」が
目立つところに平積み
にされていました。

私の好きな俳優さんたちですから素通りできなかった😅
そのカバーに魅かれて手に取ったのが、
中山七里さんとの出会いでした。



今手元にあるのは以下の4冊です。

中山七里の本


映画の「護られなかった」と
WOWWOWのドラマ「夜がどれほど暗くても」は
まだ観ていませんが、

同じくWOWWOWでドラマ化された「セイレーンの懺悔」と
映画化された「ドクター・デスの遺産」は
たまたま私が日本にいる間に
TVジャパンで放送された
ので、
どちらも家人に録画してもらっておいて、
まず原作を「セイレーン」から読み始めました。



ドラマの「セイレーンの懺悔」は、
報道業界の赤裸々な中身、
正義のために暴走して見失ってしまう真実、
同じ結果を追い求めながら、
絶対に相いれない警察との駆け引きなど、
原作からさほどかけ離れずに
納得のいくドラマ
になっていました。


次の「ドクター・デスの遺産」は、
毒々しい連族殺人事件の物語が続き、
最後にその根底にあった苦悩が
明らかにされる
構成ですが、

内容は、「護られなかった者たちへ」が
人道と福祉の狭間を描いている
のに似て、
これも、人道と医療の間の倫理と現実に迫る物語です。



私の読後感としては、
「護られなかった」も「ドクター・デス」も、
のほほんと暮らしている私には想像できないような

極限で命と向き合っている人もいること、
そこにはごく限られた人しか関わっていないこと、
人は目の前に晒されていることしか見ていないことなど、
実際あってはならないことだけれど、
現実には起きていることを突き付ける

社会派の悲しい物語でした。




そして映画「ドクター・デスの遺産」は、
なんてこった・・・😞🤦‍♀️
でした。


一番大切な、なぜ犯人が連続殺人を犯したか?の
謎解きにあたる部分が端折られていました

そこを描いていなければ、
たったの悪質で狂気的な連続殺人事件でしかないのです。

そういう、どこにでもある犯人捜しの娯楽映画になっていて、
ものすごっく、腹立たしいくらいにガッカリしました。

犯人役の俳優さんが上手だったから尚更、
その使命感や見えない苦悩と
そこから生まれた歪んだ正義が明らかにされなかった
ことに
不完全燃焼+幻滅でした。


中山七里さんは、
本当にこれで納得されたんだろうか?



端折った部分があまりにも生々しい内容だから?
あるいは映像にするには難しかったから?


それはとりもなおさず、
だから人の眼に触れにくい、見て見ぬふりをされがちな部分で、
だからこそ本当は映像化するべき
物語の根底にあって無視してはならないはずなのに。



昨今不振気味な映画業界ですから、
原作があっても面白おかしく脚色して
観客の興味をそそらないとならない
のでしょうが、
これはあんまりにもあんまりな作品でした。



映画を観たけれど原作を読んでいない方には、
原作を読んでもらいたいと思います。
きっと、映画と違う感想を持つはずです。





「護られなかった者たちへ」はまだ観ていませんが、
すでにいくつか賞を取っているそうなので、
「ドクター・デス」のようなガッカリ作品ではないのでしょう

早く何とかして観たいです。
NetflixかAmazonに出て来ないかなぁ。






2022.03.04 Fri l 映画・テレビ・音楽・本 l コメント (2) トラックバック (0) l top